HIITでダイエット:科学的な真実

最近、短時間での運動で最大の効果を求める多くの人々の間で「HIIT(High-Intensity Interval Training:高強度インターバルトレーニング)」が注目されています。
このトレーニング法の魅力とは何か、そして実際のところ、科学的にどれだけの効果があるのでしょうか?
この記事では、HIITがダイエットにどれほど効果的であるか、科学的な根拠とともに詳しく解説します。

1. HIITとは?

HIITは、短時間で高強度運動と低強度の運動(もしくは休憩)を交互に数セット行うトレーニング法です。
具体的な例をあげますと、30秒の全力疾走の後に1分間の休憩を取る、というのを6セット行ったりします。
このようなトレーニングを行うことで、短時間で高いエネルギーを消費し、効率的に運動の効果を得ることができます1

2. なぜHIITがダイエットに効果的なのか?

HIITを行うことで、様々な健康効果を得ることができます。
例えば、高い脂肪燃焼効果を得ることができます。HIITは一般的な有酸素性運動と比較して、短時間で高い脂肪燃焼効果を持っているのです2
その要因の1つに、「EPOC(excess post-exercise oxygen consumption:運動後過剰酸素消費量)」と呼ばれる代謝の上昇が起こることが挙げられます。これは、運動後も多く酸素を消費する状態になることです。そのため、HIITを終えた数時間後でも脂肪燃焼効果が持続するのです!3

さらに、筋力を増やす効果もあります4。そのため、基礎代謝の向上も期待できます。

3. HIITの効果的な実施方法

それでは、HIITの実施方法について簡単に説明します。以下に気を付けてHIITを行ってくださいね。

  1. 適切なウォームアップ: HIITを始める前に、5-10分のウォーミングアップを行うことで、怪我のリスクを減らします。
  2. 強度の調整: 初心者は強度を徐々に上げていくことが推奨されます。最初から高強度の運動をやることはお勧めできません。結構きつい5ので必ず挫折します!
  3. セット数と休憩: 最初は少ないセット数から始め、徐々にセット数を増やしていくと良いです。

4. HIITの注意点とリスク

HIITを行うことによる高い効果は魅力的ですが、その反面、関節や筋肉への負担も考えられます。
特に、初心者や過去に怪我をしたことがある人は注意が必要です。

  1. 過度な疲労: HIITは体に大きな負担をかけるため、適切な休息を取ることが重要です。
  2. 関節への負担: 高強度の運動は関節に負担をかける可能性があります。適切なフォームで運動を行い、必要に応じてサポートグッズを使用することを推奨します。

5. HIITの種類とその特徴

HIITは一口に言っても、実はさまざまな種類があります。ここでは、主なHIITの種類とその特徴を紹介します。

  • タバタ式式HIIT: 20秒の全力運動と10秒の休憩を8セット繰り返す方法。合計4分間で、非常に短時間で効果的なトレーニングが可能です6。「HIITと言えばタバタトレーニング」と言われるほどスタンダードなトレーニングです。その名の通り、このトレーニングは日本人の田畑先生が発表したトレーニングなのです。
  • Gibala式HIIT: 30秒間の全力運動を行い、4分間の休憩を挟みながら4〜6セット行う方法です7。タバタ式HIITより楽ではありますが、しっかりと効果はあります。初心者におすすめです。
  • ノルウェー式HIIT: 5分間ウォーミングアップを行い、4分間全力運動・3分間休憩を4セット行います8。HIITの中で最もきつく、最も効果があると言われています。このHIITは上級者向けですね。

6. HIITと他のトレーニング方法との比較

それでは、HIITと他の一般的な運動とを簡単に比較してみましょう。

  • 有酸素性運動: 長時間、低強度で行う運動。ランニングやウォーキングなどがこれに当たります。
    エネルギー消費効果はある程度あるものの、HIITに比べると時間がかかってしまいます9
  • 筋トレ: 筋肉をターゲットとしたトレーニング。筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げる効果があります10
    HIITと組み合わせることで、より高い効果を得ることができます。

7. HIITの効果的な取り入れ方

HIITが良いのは分かったけど、どのように取り入れたらよいのでしょうか?コツを簡単に説明します!

  • 週に3〜4回のペースで取り入れるのが理想的です。
    参考文献11にもあるように、HIITに関する論文では、週3回~4回でHIITをやっている研究がほとんどです。
    十分効果があるので、毎日やって挫折するより週3回から始めて長期間やるのが良いでしょう。
  • HIITの前後は、ストレッチや軽いウォーキングを取り入れ、身体を徐々に慣らしていくのがおすすめです。
    まあこれはHIITに限らず基本の考えですね。ケガを防ぐために必ず行いましょう!
  • 食事との組み合わせも重要です。特に、プロテインを摂取することで筋肉の修復・成長をサポートします12
    筋トレに限らず、HIITの後にも筋肉の回復を早めるため、高タンパク質の食事やプロテインシェイクの摂取をおすすめします。
    また、十分な水分を取ることで、筋肉の疲労を和らげ、次回のトレーニングに備えることができます。

8. まとめ

今回の記事はいかがでしたか?

HIITは、短時間で効果的なダイエットを目指す人々の間で大変人気のトレーニング法です。
その効果は科学的にも証明されており、適切に行えば素晴らしい結果が期待できます。
しかし、その強度の高さからくるリスクも無視できません。初めてHIITを行う方や、長期間運動をしていない方は、専門家のアドバイスを取り入れながら、無理のないペースでトレーニングを進めてください!

健康的なダイエットのために、適切な知識と技術を身につけて、効果的なトレーニングを心がけましょう!

参考文献

  1. Gibala, M. J., & McGee, S. L. (2008). Metabolic adaptations to short-term high-intensity interval training: a little pain for a lot of gain?. Exercise and sport sciences reviews36(2), 58–63. https://doi.org/10.1097/JES.0b013e318168ec1f
  2. Boutcher S. H. (2011). High-intensity intermittent exercise and fat loss. Journal of obesity2011, 868305. https://doi.org/10.1155/2011/868305
  3. LaForgia, J., Withers, R. T., & Gore, C. J. (2006). Effects of exercise intensity and duration on the excess post-exercise oxygen consumption. Journal of sports sciences24(12), 1247–1264. https://doi.org/10.1080/02640410600552064
  4. McRae, G., Payne, A., Zelt, J. G., Scribbans, T. D., Jung, M. E., Little, J. P., & Gurd, B. J. (2012). Extremely low volume, whole-body aerobic-resistance training improves aerobic fitness and muscular endurance in females. Applied physiology, nutrition, and metabolism = Physiologie appliquee, nutrition et metabolisme37(6), 1124–1131. https://doi.org/10.1139/h2012-093
  5. Saanijoki, T., Nummenmaa, L., Eskelinen, J. J., Savolainen, A. M., Vahlberg, T., Kalliokoski, K. K., & Hannukainen, J. C. (2015). Affective Responses to Repeated Sessions of High-Intensity Interval Training. Medicine and science in sports and exercise47(12), 2604–2611. https://doi.org/10.1249/MSS.0000000000000721
  6. Tabata, I., Nishimura, K., Kouzaki, M., Hirai, Y., Ogita, F., Miyachi, M., & Yamamoto, K. (1996). Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO2max. Medicine and science in sports and exercise28(10), 1327–1330. https://doi.org/10.1097/00005768-199610000-00018
  7. Gibala, M. J., Little, J. P., van Essen, M., Wilkin, G. P., Burgomaster, K. A., Safdar, A., Raha, S., & Tarnopolsky, M. A. (2006). Short-term sprint interval versus traditional endurance training: similar initial adaptations in human skeletal muscle and exercise performance. The Journal of physiology575(Pt 3), 901–911. https://doi.org/10.1113/jphysiol.2006.112094
  8. Robinson, M. M., Dasari, S., Konopka, A. R., Johnson, M. L., Manjunatha, S., Esponda, R. R., Carter, R. E., Lanza, I. R., & Nair, K. S. (2017). Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans. Cell metabolism25(3), 581–592. https://doi.org/10.1016/j.cmet.2017.02.009
  9. Su, L., Fu, J., Sun, S., Zhao, G., Cheng, W., Dou, C., & Quan, M. (2019). Effects of HIIT and MICT on cardiovascular risk factors in adults with overweight and/or obesity: A meta-analysis. PloS one14(1), e0210644. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0210644
  10. Westcott W. L. (2012). Resistance training is medicine: effects of strength training on health. Current sports medicine reports11(4), 209–216. https://doi.org/10.1249/JSR.0b013e31825dabb8
  11. Trapp, E. G., Chisholm, D. J., Freund, J., & Boutcher, S. H. (2008). The effects of high-intensity intermittent exercise training on fat loss and fasting insulin levels of young women. International journal of obesity (2005)32(4), 684–691. https://doi.org/10.1038/sj.ijo.0803781
  12. Tipton, K. D., & Wolfe, R. R. (2001). Exercise, protein metabolism, and muscle growth. International journal of sport nutrition and exercise metabolism11(1), 109–132. https://doi.org/10.1123/ijsnem.11.1.109

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