高血圧に一番効果的な運動方法は?(システマティックレビュー・メタアナリシス)

本日は、高血圧の人が健康になるために、一番最適な運動方法は何かを調査した論文を紹介します!

高血圧による影響

危険因子

高血圧になると、心血管疾患、慢性腎臓病、認知症、脳卒中のリスクが高まります。

例えば、肥満の人は高血圧になる確率が3.5倍も高いことが分かっています(1, 2)

「ただ血圧が高いだけ」と軽視していませんか?

上記の病気はほとんど治す術がありません。もう一度自分の血圧値を見つめ直しましょう。

原因

高血圧の原因は、肥満、食事、アルコール依存、運動不足など、様々です。

逆に言えば、上記のどれにも当てはまらなければ、高血圧のリスクを圧倒的に減らすことができます!

そこで、今回紹介する研究は、高血圧に一番効果的な運動方法を調査しています。

一体どのような運動が1番効果的なのでしょうか?

今回の研究(3)

目的

今まで、高血圧の運動効果について、様々な研究が行われてきました。

しかし、高血圧患者に対してどのような運動が効果的か、比較した研究は行われていませんでした。

そこで、研究チームは高血圧患者と運動に関する様々な論文をかき集め、結局どの運動方法が1番効果あるのか?を比較検証しました。(システマティックレビュー・メタアナリシス)

方法

この論文の著者は、高血圧の成人を被験者とした、1580の論文をかき集めました。

その中から精査を重ね、選びに選び抜いた12件の論文(エビデンスレベルの高い論文)をまとめて比較しました。

被験者の合計は846名でした。

運動の種類を大量の高強度インターバルトレーニング(HVHIIT)、少量の高強度インターバルトレーニング(LVHIIT)、中強度トレーニング(MIT)に分けて定義しました。

評価指標は、拡張期血圧、収縮期血圧、BMI(ボディマス指数)、心拍数でした。

結果

結果は、血圧の改善はMITが一番効果的で、BMIの改善はHVHIITが一番効果的であると分かりました。

中強度のトレーニング(MIT)は、比較的長時間のランニング・ウォーキング等です。

毎日通勤などのウォーキングも馬鹿にできないですね。

参考文献

(1)Mokdad, A. H., Ford, E. S., Bowman, B. A., Dietz, W. H., Vinicor, F., Bales, V. S., & Marks, J. S. (2003). Prevalence of obesity, diabetes, and obesity-related health risk factors, 2001. JAMA289(1), 76–79. https://doi.org/10.1001/jama.289.1.76

(2)Must, A., Spadano, J., Coakley, E. H., Field, A. E., Colditz, G., & Dietz, W. H. (1999). The disease burden associated with overweight and obesity. JAMA282(16), 1523–1529. https://doi.org/10.1001/jama.282.16.1523

(3)Lu, Z., Song, Y., Chen, H., Li, S., Teo, E. C., & Gu, Y. (2022). A Mixed Comparisons of Aerobic Training With Different Volumes and Intensities of Physical Exercise in Patients With Hypertension: A Systematic Review and Network Meta-Analysis. Frontiers in cardiovascular medicine8, 770975. https://doi.org/10.3389/fcvm.2021.770975

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA